管理医師のブログ

2014年3月 6日 木曜日

塩分制限の根拠は?(尼崎循環器内科医が答えます)

塩は化学式でNaCl(ナトリウムと塩素の化合物)ですね。ナトリウムは皆さんが病院やクリニックから手渡してもらう検査項目の一覧にも入っています。血中ナトリウム濃度として頻回にご覧になっているはずです。
Lagoらは米国で行われた"フラミンガム研究"の中で、約2200人の4年間の追跡結果として、血中(血清)ナトリウム濃度の上昇が、将来の高血圧症リスクと関連しないと報告しました。(Journal of Hypertension, 2008)
「じゃあ、減塩しなくてもええやんか。flair 」と短絡的に考えてはいけません。
Formanらはオランダで行われた大規模研究"PREVEND"の中で、約5600人の6年間の追跡を行ない、尿中のナトリウム濃度の上昇が、血管の損傷の指標と考えられる尿中アルブミン値と尿中尿酸値の上昇を引き起こし、ひいては高血圧症へ誘導することを報告しました。(Circulation,2012)
ヒトは血中ナトリウム濃度を(ナトリウム濃度だけではないのですが)一定に維持しようとする機能(ホメオスタシス)を持っていますので、Lagoらが得た結論は当然の結果といえば、当然の結果なのですが、注目すべきは、Formanらが報告した排泄されるナトリウムの指標である尿中ナトリウム濃度の大さと高血圧の相関関係です。
たくさん塩分を摂取しても、その分だけ尿中に排泄するので血中ナトリウム濃度こそ上昇しませんが、塩分を体外に排泄するこの作業工程が血圧を上昇させるひとつの危険因子となると解釈して欲しいと思います。
実はこれに遺伝子レベルの問題が危険因子として寄与して、始めて高血圧症として発症するのですが、このブログでは単純に「塩分の過剰な摂取は高血圧を発症させる危険因子となる。」と紹介させていただいて良いと思います。
clip 蛇足ですが、Lagoらの報告だけを引用して「高血圧の予防に塩分制限は不要!」「塩分制限で高血圧が予防できるという証拠はどこにもない!」なんて書いているチラシ、ダイレクトメール、ホムペなどをウッカリ信用してはいけませんよ。きっと悪徳商法ですよ。annoy
(記載、管理医師;佐々木)

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投稿者 医療法人社団ささきクリニック

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