管理医師のブログ

2014年3月27日 木曜日

Ca拮抗剤の副作用?(尼崎循環器内科医が答えます)

カルシウム拮抗剤を内服している患者さんの発癌率が有意に大きいとPahor ら(Lancet,1996)が報告しました。服薬期間が長いほど発癌率が大きかったのなら、本当に相関があるんだろうけど、その記載がないとか、ツッコミどころはたくさんあるようで、いまだに決着していないようです。製薬会社のホムペには反証(Jick Hら Lancet , 1997)が記載されていたりします。
ただ、いまだに乳癌との因果関係(Christphar ILら Journal of the American Medical Association, 2013)や口腔外科領域の癌との因果関係(Friedman GDら Archives of Internal Medicine, 2012)などが報告されていることを考慮すると、この論争はまだまだ続きそうです。「2014.03.21ブログ...問題ないの?(1/2)」でも触れましたように論文って絶対的なものではないですからね。
カルシウム拮抗剤が広く使用されるようになったのは佐々木世代が研修医の頃。充分なデータの蓄積がないという意味ではおそらく我々が決着をつける世代ではないんでしょうね。後世のドクターの仕事になると思います。 
そういえば、カルシウム拮抗剤と胃腸障害の因果関係について述べた論文(Journal of Clinical Pharmacy and Therapeutics, 2012)もあり、これについても、ドクターの間では賛否両論あるようです。発癌は将来の話で、現実に眼の前でおこっていない話ですが、このように実際に患者さんが眼の前で副作用を思わせる症状(胃腸障害などはその代表だと思います)を訴えていらっしゃるのなら、『○○先生の論文によると、そんな副作用はあり得ないです。』なんてことを言う立場はとりません。まず佐々木は患者さんの訴えに耳を傾けると思いますね。だって佐々木は学者や研究者じゃなくて、臨床医ですから。試験管の世界に生きているんじゃなくて、現実の世界に生きているんですから。後世のドクターが学術的な決着をつけてくれたらいいんです。
副作用を思わせる症状があるのなら、ドクターが代替の処方を提案することで患者さんの安心に貢献できると考えます。頑固に「黙ってオレの処方を飲め!」って怒ったりするのは「生きた化石」先生ですよね。代替の処方を提案しようとすれば、大事なのはバックアップの薬。バックアップの薬を作り出すことは、新薬を開発する行為そのものです。これが当診療所の治験/臨床試験に協力している大きな理由です。
(記載、管理医師;佐々木)

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投稿者 医療法人社団ささきクリニック

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