管理医師のブログ

2014年10月27日 月曜日

医療否定本考〈2〉

前回ブログ記事では佐々木が「がん」診療にまるで係わっていないか、のような誤解をされかねない表現になっていましたので、少々、修正を。当診療所は在宅支援診療所の基準を満たしていまして、「がん」患者さんの在宅診療も実施しています。また在宅看取りもおこなっています。看取り件数の約半数は「がん」患者さんという実情です。麻薬を用いた緩和医療も積極的に実施しています。当方のブログ記事カテゴリーでは【在宅医雑感】【情報開示】などもあわせて閲覧していただければ、さいわいです。


「医者に殺される。」はあまりにもグロテスクな表現なので、佐々木なりに解釈すると「病死と思われていた大部分が、実は医者が医療を施すことで、その医療の副作用で死に至らしめている。」ということを著書で述べていると思われます。こういうふうにもっと万人受けするように表現すればいいのに。なんであんな言い方になっちゃうんですかねぇ。
でも、ここで忘れてはいけないこと。「医者に殺される。」をグロテスクな表現と評した佐々木も実は著者先生と同じようなことを言っているんです。

■ むかしむかし
立場が変わると、著者先生に反論している先生方も同じようなことを言っているはずです。医療を生業(なりわい)とする者の出現は正確にはいつ頃だったのか、は残念ながら佐々木の知識の中にはありません。でもね、祈祷師と医者の見分けがつかないような時代もあったじゃないですか。
医者の【医】という文字はという文字の簡略体ですが、酉の部分は酒、まぁ酒と薬の見分けがつかない時代もあったということでしょう。この酒(薬)を口に含んで、梨汁ブッシューみたいに患者さんに噴きかけます。医と殳の部分が「えいっ」という音を表します。「えいっ」という気合を入れて、酒(薬)を噴きかける様子を漢字にしたものがであり、この文字が医という簡略体になったということです。漢字が成立した時代の医療および医者のイメージって、こんなものだったようですが、このイメージに対してはさすがにどのドクターも「【医者に殺される】から、そんな治療は受けへんほうがえぇで。」って言うでしょ。

■ 常識を疑え
病気になったら治療を受けることこそが常識?本当でしょうか?
ひょっとすると、病気になったら医療機関で治療を受けるという考え方が広くいきわたっているは日本だけかもしれません。日本人が風邪をひいたときに医療機関を受診することを驚きをもって伝えるメディアもありました。つまり風邪を病気の中に入れていない国々すらあるということです。
「風邪をひいたので1週間ほど休みます。」→上司「何を言うてるんや?医者にかかって薬飲んで出てこんかい!」みたいな窮屈な常識に束縛されていないでしょうか?
ことが、たかが風邪ということであれば、渋々上司の言う通り、薬を飲んで無理して出勤するのでしょうが、「がん」みたいな致命傷になりかねない疾病の場合には、患者さん自身が納得した治療を受けたいと考えることに理解を示さないヒトはまずいないでしょう。また、もし、どの治療法も納得できない場合には、治療を受けないという選択肢もありじゃないでしょうか?
いくら周囲が病気になったら治療を受けるべき!と常識を振りかざしても、当の患者さんも命を賭けた選択です。そうやすやすと、翻意するはずもありません。常識を振りかざして責める周囲に対して肩身の狭い思いをしている治療を受けたくない患者さんにとって、医療否定本の一群こそが、唯一の憑代(よりしろ)かもしれません。

■ 主 張 2
医療否定本を駆逐して、医療否定本の著者の口に猿轡(さるぐつわ)をかませようなんてのは、まるで焚書坑儒(中国の皇帝がむかしむかし儒教を弾圧すために、書物を燃やして、儒者を土中に坑めたことを表現する故事成語)。もってのほかです。否定本をこの世からすべて掻き集めてきて燃やしてしまえば、この世は健康で満ち満ちて、病魔は退散するというものではないのです。
そこで一言。

焚書坑儒はもってのほか!


治療を受けたくない患者さんの憑代(よりしろ)を取り上げるようなことは絶対にしてはいけません。


なぜか、今回のブログ記事は中華系知識に助けてもらう形になりました。

(記載、管理医師;佐々木)

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投稿者 医療法人社団ささきクリニック

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