管理医師のブログ

2014年5月29日 木曜日

糖質制限~9~

糖質制限について言いたいことはだいたい言えました。また言いたいことが溜まってきたらブログ記事にしますが、今回は一連の締めということで。
2014-04-28ブログでは糖質制限賛成派に批判的なデータや記事を意識的に載せました。賛成派の有象無象の中に、糖質制限ブームに乗っかって一儲けしようというような悪徳業者もかなり混ざっているような印象を持っていますので、批判的なデータや記事からぶつけてまず沈静化をはかりました。怪しげなのがいっぱい乗っかってるのですが、賛成派の先生も「贔屓の引き倒し!俺に乗っかんじゃねぇ!」なんて言いにくいでしょうから、替わりに佐々木が言っときました。
こういう論争のある所には必ず怪しげな業者が皆さんの「どっちを信じたらええんやろ?」と迷っている気持ちにつけこんできますから、注意してくださいね。
でも論争は大歓迎なんですよ。反証の理屈やデータなどもしっかり読み込むことで理解が深まりますし、反証の反証を準備することで仮説もより確かなものに仕上がっていきます。それにことが医学医療に関係することとなれば、後々、たくさんの患者さんに福音をもたらすことにもなりますしね。
今回、一連の糖質制限に関係する記事で、発癌、動脈硬化、病気の起源、などなど、たくさんの話題を皆さんにお示しすることができて、健康や医療について考える機会を提供できたと思います。
インスリンが炭水化物由来の余剰エネルギーを脂肪組織に変化させてしまうことがわかっていますので、インスリンを大量に分泌させない食事、つまり低炭水化物食で脂肪がつきにくい状態をつくりだすことができそうです。また糖尿病患者さんではインスリンの大量分泌で疲弊した膵臓に低炭水化物食が救いの手を差し伸べることになります。
食事療法の大きな流れは糖質制限に向かっていると結論して良いようです。以下に日経新聞の記事を紹介して糖質制限についての話を締めたいと思います。WHOは1日の糖類エネルギー摂取を総エネルギー摂取量の5%未満とする新指針を検討しているとのことです。(日本では厚生労働省が炭水化物エネルギー摂取の比率を50~60%としているが、糖類エネルギー摂取の比率については言及されていない)

糖類の摂取量目安、従来の半分に WHOが指針案 1日25グラム、缶ジュース1本分(2014/5/11付日経WEB記事要約) 
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO71009880Q4A510C1MZ4002/
 

1日の糖類摂取を総カロリー量の5%未満に抑えるよう勧める内容の指針案を世界保健機関(WHO)がこのほど発表した。
■飲料・菓子類が対象
WHOは以前から「10%まで」を推奨してきたが、今回はこれを残しながら半分に減らす案を示した。世界的に増えている肥満や虫歯などの予防効果が高まることがわかったとして数値を厳しくした。日本人の砂糖摂取量についてはっきりした数字はないが、各種の統計などから1日に70グラム程度を摂取しているとみられる。
WHOがいう糖類とは、主に単糖類といわれるブドウ糖や果糖、2糖類のショ糖(砂糖)で、これらを多く含む飲料や菓子類などが対象となる。コメなどの炭水化物や野菜類のでんぷんなどからの摂取分などは考えなくてよい。「WHOは炭水化物の摂取量を制限する食事などにも触れていない」と帝京大学の山内俊一教授は解説する。
新指針案を守るのは厳しいと見る向きが多いが、女子栄養大学の山田和彦教授は「糖類を多く取る人は結果的にたくさん食べていることが多く、総カロリー量を押し上げやすい。飲料を食事代わりにしてしまうと栄養も偏りやすいので注意すべきだという意味ととらえるのがよい」と説明する。
糖類は脳をはじめとする臓器のエネルギー源として欠かせない。リラックス効果をもたらすことも知られている。イライラしたときに甘い物を口にすると落ち着いたという経験は多くの人が持っているだろう。
山内帝京大教授によると、糖類の過剰摂取で狭心症などの心臓や血管の病気に加え、内臓脂肪型の肥満も増えやすいことが大規模な疫学調査などで明らかになっているという。最近の研究では「摂取カロリーの総量が多いという理由だけでなく、砂糖などを一度に大量に取ることが原因の一つとの見方も出ている」(山内教授)。

■果物食べ過ぎ注意
食事で炭水化物を取る場合は、腸でブドウ糖まで分解されて吸収される。これに対し、砂糖などが多い飲料や菓子などを過剰に取ると、消化の手間が省かれ短時間で吸収されやすいため、血糖値が急激に上がる。上がった血糖値は急激に下がる。こうした変化は「肝臓やすい臓などにダメージを及ぼす可能性が高い」と山内教授は話す。
ただ砂糖の摂取量と健康への影響について日本人の研究が少なく、はっきりしていない点も多い。厚生労働省が健康を保つ食事量の目安として示した食事摂取の基準でも、総エネルギーのうち
炭水化物50~65%などとしているが、砂糖などには詳しく触れていない。
山内教授は「肥満ではない健康な人は糖類を1日60~70グラム程度は摂取しても問題ないのではないか」と話す。普通の食品に含まれるものや調理に使う調味料などは過度に摂取を控える必要はないという。
ただし、果物は少し注意する。ビタミンなどが取れる半面、最近は糖度が上がっている。一定量の果糖などを直接摂取することになる。飲料や菓子と同じく、食べ過ぎに気をつけたい。


【補足】 下の表で炭水化物、糖質、糖類の定義をはっきりしておきましょう。
 炭水化物  糖質と食物繊維の合計
 糖   質  炭水化物から食物繊維を除いたもの
 糖   類  糖質のうち、単糖類と二糖類
 ブドウ糖、果糖、蔗糖(砂糖)
低炭水化物食と糖質制限食は同義として解釈して良いと考えます。食物繊維はカロリーが無いと考えていいですから、低炭水化物食といっても減らすべき対象は食物繊維でなくて糖質です。低炭水化物食と糖質制限食、この二つの言葉は同じ意味と解釈して良いでしょう。
糖類は甘味成分とざっくり考えてくださって良いでしょう。糖質が分解されたら糖類になると考えても良いと思います。米飯や小麦粉から作られるもの(麺など)が糖類に分解されて腸管から吸収されるまでは、血糖値は上昇しません。最初から糖類にまで分解された食べ物は即吸収されるので、血糖値をドーンと上昇させますし、インスリン大量分泌の引き金を引くことになります。
(記載および要約、管理医師;佐々木)
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投稿者 医療法人社団ささきクリニック | 記事URL

2014年5月22日 木曜日

困惑する高齢者施設

本年4月の診療報酬改定に伴って困惑する高齢者施設の報告を二本、日経WEBの記事から。

訪問診療、医師が消えた
診療報酬改定、思わぬ波紋 (2014/5/2付日経WEB記事要約)

厚生労働省が決めた4月の診療報酬改定が思わぬ波紋を広げている。医師が高齢者施設で多くの患者を一度に診察し、高い訪問診療料をとる事例が頻発したため、同じ建物への訪問診療料を大幅に減らした。その余波で訪問診療から撤退する医師が相次ぎ、施設事業者が窮地に陥っている。混乱する現場を訪ねた。

■高齢者施設が悲鳴
「5月からはもう無理だと言われた。他を当たっても返事が来ない」。4月、千葉県市川市の介護付き有料老人ホームの幹部は頭を抱えた。訪問診療に来ていた地元のクリニックが今回の料金引き下げで「医師の人件費が賄えない」と、辞退を申し出てきたためだ。
料金が下がった訪問診療に手を出さないのは他の医療機関も同じ。自ら通院できない入居者は別の施設を探すか、救急車を呼ぶほかない。地元では代わりが見つからず、ようやく東京都内の医師に5月から来てもらうことで一息ついたが、「先々不安」なままだ。
「全国特定施設事業者協議会(特定協)」など高齢者向け施設や住宅の団体の調べでは、訪問診療をやめる医療機関が1割、規模を縮小するのが3~4割。5割は続けるとしたが「様子見やいずれ撤退するといった声も多い」(特定協の長田洋事務局長)。
主な引き下げ対象はある患者を月2回以上定期的に診察すれば毎月定額を受け取れる「医学総合管理料」。もともと厚労省が在宅患者を手厚く診る「かかりつけ医」を増やそうと、患者1人あたり最高月5万3千円と料金を高くしていた。
これを4月からは月1万5千円に72%引き下げた。厚労省は引き下げの理由を高齢者施設で1人あたりの診察時間を数分と短くし、多くの患者を診る「不適切な事例」(宇都宮啓医療課長)への対策と説明する。

同省は昨秋までに全国20カ所でこうした事例を確認した。月2回の訪問診療を受けることが入居の条件となっているサービス付き高齢者向け住宅や、本人が同意しているかどうかにかかわらず、
9割超の入居者に訪問診療を受けさせた軽費老人ホームもあった。
大阪府の訪問診療専門の50歳代のA医師は「若手医師を時給1万~2万円で集め、大がかりに高齢者施設に訪問診療する専門クリニックがある」と証言する。
これらは昨年12月に訪問診療の報酬を不正請求したとして保険医療機関の指定を取り消された大阪市の歯科などの事例とは違い、直ちに不正とはならない。だが高い料金目当ての「過剰な診療」とみて、料金下げで抑制しようとした。

■在宅推進に逆行
「まともな診療まで一律に規制するのは暴挙」(A医師)との意見に加え、ちぐはぐな国策の矛盾を問う声も強まる。3月末に日本医師会が都内で開いた臨時代議員会では北海道の医師が「政府による在宅医療の推進に逆行するのではないか。現場の士気は著しく落ちている」と訴えた。
厚労省は高齢化に備え、在宅医療・介護に政策の重点をシフト。集合住宅で必要に応じて医療や介護を受けられる施設を増やす流れにある。民間企業の参入で、有料老人ホームの定員数は10年余りで10倍近い30万人超まで伸び、2011年度に始まったサービス付き高齢者向け住宅も3月末で14万6千戸を上回った。こうした住宅が「特別養護老人ホーム並みの重度者を受け入れる例も多い」(A医師)。
料金引き下げを見直すよう医師や事業者の要望を受けた与野党議員の国会質問に、田村憲久厚労相は「場合によっては見直しも含めて検討させていただく」と答弁。厚労省は一部例外を設けながら診療報酬改定は実施し、訪問診療の撤退があれば医師会が医師を紹介する仕組みを作るとした。
だが福岡県の医師会に所属し、有料老人ホームに訪問診療する医師は「(24時間対応の負担の重さを敬遠し)消極的な医師会もある」と明かす。医療費削減に向けて、診療報酬の引き下げは避けて通れない課題だが、現場の実態には十分な配慮が必要だ。

在宅医療、存亡の危機? 報酬下げで減る訪問医師
老人ホーム膨らむ不安 (2014/5/8付日経WEB記事要約)

4月に行われた在宅医療に対する診療報酬の大幅引き下げを受け、老人ホームなど高齢者向け施設に医師を派遣している医療機関の間で「割に合わない」と診療体制を見直す動きが出始めた。今夏以降にこうした流れが本格化する可能性もあり、施設関係者からは「在宅医療がなりたたなくなる」との不安の声が漏れる。
「医療機関との関係の薄い施設に医師が来なくなるかもしれない」。神奈川や静岡県の介護付き有料老人ホームなど16施設を運営する愛誠会(東京・千代田)の岡村幸彦社長はこう話す。

■「患者1日1人に」
医療サービスに対する診療報酬は2年に1度改定される。今年4月の改定では、老人ホームやグループホームなど高齢者向け施設に訪問診療を行った際の報酬が引き下げられた。1人の患者に対し月最大5万円程度あった医師の技術料が、同じ日に同一施設の複数の患者を診察すると4分の1に減った。
医師側からすれば「割に合わない」となる。実際、愛誠会にも「診察する患者は1日1人、一施設1カ月あたり計20人までにしたい」との申し出が医師からあったという。
在宅医療の診療報酬は2012年に増額された。一度に多くの患者を診察できることから、施設への訪問診療に対する注目度が高まった。
「昔は往診医を頼む際に菓子折りを持ってお願いしていたのが、医師側から営業に来るほどになったのに......」と岡村社長。「厚生労働省ははしごを外すのが早すぎたのではないか」。二転三転する国の方針に不信感を隠さない。
施設側の負担も増している。医師の訪問時は施設職員が患者の状況を説明するなどの対応が必要だが、その手間も増えた。
首都圏で10カ所の介護付き有料老人ホームを経営するアズパートナーズ(東京・千代田)シニア事業部の浅見泰之マネージャーは「これまでは特定の日に対応すればよかったが、1日1人に限定され職員は毎日拘束されるため業務が回らなくなっている」とこぼす。
「かかりつけの医師が来なくなった。面倒を見てくれないだろうか」。千葉県松戸市で「いらはら診療所」を経営する苛原実院長のもとに4月上旬、老人ホームの経営者から訪問診療を打診する電話がかかってきた。採算が合わなくなった医師が訪問診療をやめたという。「手いっぱいで断らざるを得なかった」。苛原院長は苦渋の表情を浮かべる。

■3分の2で減額
「在宅医療と介護の地域モデル」を掲げるいらはら診療所自体も、今回の改定でダメージを受けた。約350人の患者に訪問診療を行っているが、3分の2が減額対象となる高齢者向け施設の居住者。医師の数などから、訪問回数を増やすことは難しい。
業界団体「サービス付き高齢者向け住宅協会」(東京)が3月、訪問診療を実施する医療機関などを対象に実施したアンケート調査では、「看護師を同行しない」「診療時間を短縮する」などの意見があがった。
厚労省によると、4月末時点で在宅を担当していた医師がいなくなったと報告されたケースは全国で3件。既にいずれも代わりの医師が見つかったという。
しかし保険診療は実際に医療機関に技術料が支払われるまで時間がある。現在は様子見の医師も少なくなく、影響が本格的に出てくるのは夏以降とみられている。新宿ヒロクリニック(東京・新宿)の英(はなぶさ)裕雄院長は「新規に訪問診療をやってみたいという医師も出なくなってしまう」と懸念。今後、各地で混乱が表面化する恐れもありそうだ。

■かじ取り悩む厚労省 悪質業者の存在が背景に
診療報酬の大幅な減額が打ち出された背景には、施設への訪問診療が割のいい"ビジネス"として成立するようになり、一部で悪質業者の存在が指摘されるようになったことなどがある。
厚生労働省によると、患者を紹介して報酬の一部を受け取る紹介業者が登場したり、報酬のキックバックを目的に訪問診療を受けることを居住者に義務付ける高齢者向け施設が出てきたりしたという。
厚労省医療課の宇都宮啓課長は「そもそも一般的な高齢者向け施設では、医療機関に通院できないと考えられる高齢者は3割に満たないはず。しかし施設によっては入居者の9割が訪問診療を受けていた」と指摘。「医療資源の効率的な利用を考えても問題がある」と説明する。
一方で厚労省は増え続ける医療費を抑制するため、医療機関のベッドを削減し、施設や自宅での在宅医療を充実させる方針を進めている。
在宅医療を手掛ける医療機関は11年時点で病院で28%、診療所で20%にとどまり、12年に診療報酬が引き上げられたのもこれらの割合を引き上げる狙いがあった。
医療関係者からは「在宅医療を行う診療所については、登録要件など報酬以外の締め付けもきびしくなっている」との指摘も聞かれる。厚労省もアクセルとブレーキとのバランスに苦しんでいるようだ。


以上、困惑する高齢者施設に焦点が当てられての記事構成ですが、診療所にも診療所なりの事情があると思います。
「(上の記事にあるような)不適切事例が明らかになった場合はどうなりますか?」という質問に対して、厚生労働省は「(業者や施設は摘発されず)診療所のみの摘発となる。」とのこと。
ここで重要な問題が2点。
9割超の入居者に訪問診療を行っている場合、不適切事例と解釈される可能性がある。・・・①
● 不適切事例は診療所のみの摘発となる。・・・②
①は日経新聞から、②は行政から、と情報の出処は違うのですが、2つが結びついたら・・・と想像してみました。金品の授受などがあれば、確実にアウトですが、ひと施設まるごとお世話してる診療所なんて少なくないと思います。そりゃあ、従前通りの訪問診療はリスクが大き過ぎて、できないですよ。もうコストの問題じゃありません。摘発となったら診療所廃業も覚悟しないといけませんからね。
また記事には医療機関撤退した施設には医師会が救済の手を差し延べるみたいな記載がありますが、これはこれでまた今後は医師会の事情に振り回される施設さんも大変ですけどね。
(記載および要約、管理医師;佐々木)
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2014年5月17日 土曜日

ユマニチュード?

「ユマニチュード」・・・?
初めて聞く言葉なのですが、ケア技術のひとつとのこと。読んでみると佐々木も往診や訪問診療の際に役立つ内容でした。なぜなら往診や訪問診療の対象となる患者さんはご高齢の方が多く、当然、認知症である方も多いからです。今までは経験的に「こんなふうに接したらコミュニケーションがとりやすいな。」と自己流でしたが、この記事(日経WEB 2014/5/4)を読んで「目からウロコ。」的な部分もあり、「けっこうマトは外してないやん。」と安心したり、でした。
全文は長いので佐々木が要約しました。認知症の介護で困っているご家族の皆さんは是非読んでみてください。『4つのポイントを心がけるだけで、介護する人は驚くほどラクになり、介護される人は快適に、穏やかになる。』とのことです。
以下は佐々木の要約です。

力も道具も不要 驚くほどラクな認知症ケア (2014/5/4付日経WEB記事要約)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK18038_Y4A410C1000000/ 

「ユマニチュード」とは、フランス語の造語で「人であることを尊重する」という意味。イブ・ジネストさんと、ロゼット・マレスコッティさんという2人の体育学の専門家が生み出したケア技術。この技術の導入後、フランスでは介護スタッフの離職率が低下したり、認知症患者の内服する薬の量が減ったり、などの効果が出ているらしい。
ポイントは(1)見つめる、(2)話しかける、(3)触れる、(4)立つことをサポートする、の4つ。
認知症の人は、情報の入り口が狭くなる。たとえば視野は、鼻を中心に左右15度くらいに狭まる。だから、後ろや横から声をかけられても、気づきにくいし、恐怖を感じやすい。認知症の人と接するときは、まず、目の高さで正面からじっと見つめることが大切。
ほかに、話しかけるときはポジティブな言葉で、触れるときはなでるように、と心がける。中でも重要なのは、「立って歩く」のをサポートすることだ。立って歩くことこそが、その人らしさの原点との考え方があるからだ。



1.見つめる・・・同じ目の高さで、20センチ程度の距離で、チラ見ではなく、0.4秒以上じっと見つめる。見下ろされていると相手に感じさせず、お互いの関係が平等であることを伝える。
2.話しかける・・・低めのトーンで柔らかな抑揚で話す。「お元気そう」といったポジティブな内容で。また、「今、腕を拭きますよ」と、行っている動作の内容を"実況"し、頻繁に話しかけると、相手は安心する。
3.触れる・・・ゆっくりなでるように、広い面積をやさしく触れ続ける。腕は、上から力まかせにつかんだり、引っ張ったりせず、下から支えるようにサポートし、相手を労わっていることを伝える。
4.立つことをサポート・・・寝かせたままにせず、できるだけ、「立つ」「歩く」サポートを行う。最期までその人らしく、を大切にする、ユマニチュードの考え方の原点になっている。


(記載および要約、管理医師;佐々木)
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2014年5月16日 金曜日

糖質制限~8~(尼崎循環器内科医雑感)

もっとインスリンの働きを理解するために、2014-05-11ブログ記事に今回は生化学的な説明を追加しますよ。

【代謝の基礎】代謝には異化と同化があります。高校レベルの生物学ですね。異化とは複雑な物質から、より単純な物質に分解する工程であり、同時にエネルギーを産生します。同化とは単純な物質から、より複雑な物質を合成する工程です。

異化・・・異化の工程でエネルギーを生み出すのですが、下の図を見てください。どんどんややこしくなりますが、もうちょとだけ着いて来てください。細胞中のクエン酸回路(下の図でクエン酸⇒オキサロ酢酸へ変化する途中)でエネルギーはつくられるのですが、蛋白質・糖質・脂質ともにこのクエン酸回路でエネルギーをつくりだすことがわかります。すご~く簡単に言うと、エネルギー源として、蛋白質・糖質・脂質を食事として摂取するのですが、こいつらを全部エネルギーに替えてしまえば、肥満になったり、糖尿病になったりはしないわけです。


同化・・・2014-05-11ブログ記事を見直していただければ、思い出していただけますよね。即利用できるエネルギー源のブドウ糖は血液中に角砂糖二個程度までしか存在し得ないので、インスリンが角砂糖二個を超過したブドウ糖質を複雑で分子量の大きい糖質であるグリコーゲンという形に再合成してとりあえずお取り置きするわけです。これこそが上の図にある矢印の逆の経路をたどる冒頭の【代謝の基礎】で出てきた同化です。

  蛋白質   炭素(C)  水素(H)  酸素(O)  窒素(N)
  糖質   炭素(C)  水素(H)  酸素(O)
  脂質   炭素(C)  水素(H)  酸素(O)

上の表のように蛋白質・糖質・脂質の中で組成に窒素(N)を含むのは蛋白質だけです。窒素(N)が入ってくると話が面倒なので、糖質と脂質だけにしぼってすすめていきます。糖質と脂質の違いは炭素(C)・水素(H)・酸素(O)の順列組み合わせの違いだけです。バラバラに分解されたあと、同化される際には糖質から分解された炭素(C)・水素(H)・酸素(O)であっても、これらを原料に脂質を再合成することは可能です。
とりあえずのお取り置きとして、予備のエネルギーとして、貯蔵される際にグリコーゲンとして貯蔵されのは300gまで、というしばりがある中で、しばりがないのが脂肪です。グリコーゲンとしての貯蔵300gを超過した余剰エネルギーは、たとえ糖質由来の炭素(C)・水素(H)・酸素(O)であったとしても、脂肪組織へ再合成されてどんどん貯蔵されていきます。脂肪組織はグリコーゲンと違って上限がありませんからね。
バラバラに分解(異化)された炭素(C)・水素(H)・酸素(O)から、グリコーゲンや脂肪組織へ再合成(同化)するように誘導するホルモンがインスリンです。よってインスリンは同化ホルモンです。インスリンの作用する組織・臓器とその作用を下の表にまとめてみます。インスリンの働きを総じて表現すると「エネルギーを貯蔵する働き」ということになるでしょう。さらには今回は割愛した蛋白質の代謝にもインスリンは関わっていることもわかりますね。

 筋肉  糖の取り込み促進
 グリコーゲンの合成促進
 アミノ酸の取り込み促進
 蛋白質の合成促進
 蛋白質の分解抑制
 脂肪組織  糖の取り込み促進
 脂肪酸合成の促進
 脂肪分解の抑制
 肝臓  グリコーゲンの合成促進
 解糖(糖→ピルビン酸)の促進
 (糖以外の物質から糖を合成)糖新生の抑制
 脂肪の合成促進
 蛋白質の合成促進

食事の際にお取り置きしたグリコーゲンや脂肪組織からエネルギーを引き出して、次の食事までに使い切ってしまえば肥満なる現象は起こりません。とりあえずのお取り置きだったはずの脂肪組織が消費されずに積もり積もって根雪のごとく残ってしまうことで肥満が完成します。
大量のインスリンによって、つまりは必要以上のカロリー摂取によって、繰り返し繰り返し酷使され続けてきた筋肉・脂肪組織・肝臓が疲れ果てて「ええかげんにせぇ!俺らはもう言うこと聞かへんからな!」とインスリンに反旗をひるがえし、糖が筋肉・脂肪組織・肝臓に取り込まれなくなり、行き場のなくなった糖が血液中に溢れかえった病態が糖尿病です。
(記載、管理医師;佐々木)
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2014年5月12日 月曜日

アノ人カラ奇襲攻撃受ケル(尼崎循環器内科医雑感)

あ~来ちゃいましたよ。ついに、この人が。
今までは癌の分野の人だったので、『外科の先生や腫瘍内科の先生は困ってはるやろなぁ。』と少し他人事だったのですが、来ちゃいましたよ。うちらの循環器内科の領域にも。奇襲攻撃を受けたわけですが、降りかかる火の粉は払い落とすしかないでしょう。
早速、「週刊文春5.8-5.18ゴールデンウィーク特大号」を購入。読みましが、人間ドック学会と日本高血圧学会の高血圧の基準についての説明などはやや稚拙。ウチのブログのほうがえぇこと書いてまっせ。
http://www.sasaki-chiken.jp/blog/2014/04/post-18-836898.html  good
内容は「血圧が高くても元気で長生きしてる人がいる。」と主張しているばかりです。高血圧のガイドラインでもすでに高齢者の血圧管理については、管理目標を高めに設定すべきという内容の記載があることを考慮すれば、「血圧が高くても元気で長生きしてる人がいる。」というこの人の言い分はすでにほとんどの循環器内科医が知るところでもありますし、「医者に殺される。降圧剤に殺される。」は少々過ぎた表現ではないでしょうか?「血圧が高くても元気で長生きしてる人がいる、という事実を知っているのは、俺様だけで他は何にも知らんロクでもない医者ばかりだ!」とおっしゃりたいのでしょうが、そんなに不勉強な医師ばかりじゃないです。皆さん、安心して受診してください。

癌についてこの人が著述しているものもちょくちょく読んでいたのですが、当時から『稀有な少数をもってきて、それを全体化している。』というスタンスは一貫されているようです。『戦うな!』がキャッチコピーのこの人ですが、ご自身の高血圧の患者さんのデータなどを循環器学会などで発表していくなど、少なくともご自身は『戦う』姿勢を見せるべきじゃないでしょうか。『患者さんに戦うな、と言っている手前、俺も戦わねぇ。』とおっしゃらずに。
そのうちに耳鼻科領域にも進出して、『難聴は治るんだ。補聴器なんかいらない!今日はこの方と来てます。どうぞ!』なんて、登場するのがbombdanger内氏なんてね。

閑話休題。それよりこの人は放射線科のドクターなんですよね。この人にとって専門外の循環器領域に口出しするよりも今まさしく、ご自身の領域で騒動になっていることがあるんじゃないでしょうか?また多くの方々が放射線医に語ってもらいたい事があるんじゃないでしょうか?これに答えるべきが使命なのではないでしょうか?
コミック「美味しんぼ」で放射線被曝が大きな 論争になってるってご存知ですか?
http://www.narinari.com/Nd/20140525757.html
 good

少なくとも佐々木は他領域にズケズケ入っていって、こんな厚かましいことは出来ない性格です。
(記載、管理医師;佐々木)
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投稿者 医療法人社団ささきクリニック | 記事URL

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【住所】
〒660-0827
兵庫県尼崎市西大物町12-41
アマゴッタ4階医療センター

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