管理医師のブログ

2014年7月24日 木曜日

シロスタゾールは認知症を治せるか?

NHKスペシャル2014/7/20放送分を視聴したのですが、あたがもシロスタゾールで認知症が治るみたいな言い方でしたねぇ。

"認知症800万人"時代 認知症をくい止めろ ~ここまで来た!世界の最前線~
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0720/



このままではきっと皆さんが勘違いする!と思い、早速ネットで検索。見つけました。おそらくこれがネタなんだろうという報告を。それがこれです。

http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0089516

出演(?)していた先生とこの文献の著者も一致するし、間違いないかと思います。この文献の内容を要約してみると、ドネペジル(アリセプト)を内服していた患者さんとドネペジル(アリセプト)+シロスタゾール(プレタール)を内服していた患者さんの認知症症状のすすみ方を比較してみたら、ドネペジル+シロスタゾールを内服していた患者さんのほうが症状のすすみ方がゆるやかだった、という内容です。しかも認知症の中等症以上では認められず、初期の患者さんで認められるのみとのこと。
認知症が改善した、治癒した、じゃなくて、認知症症状のすすみ方がゆっくりだった、しかも初期の患者さんで、という結論ですから、落ち着いてくださいね。落ち着いてほしい理由をあとひとつ。
後ろ向き研究であったことです。後ろ向き研究というのは診療録をパラパラとめくっていたら、「ドネペジル+シロスタゾールの組み合わせて内服していた患者さんの成績が良いやんか。」というのを見つけました、という研究です。ドネペジルは認知症に処方する薬剤ですから、処方目的はわかりますが、問題はシロスタゾールです。シロスタゾールは、今のところ、認知症に適応はありませんから、別の目的で処方していたはずです。シロスタゾールの適応症は(シロスタゾールを処方することが認められている病気は)慢性動脈閉塞症と脳梗塞発症後の再発抑制ですから、このような疾病を認知症とあわせ持つ患者さんだったことでしょう。報告の考察でも著者は、血管がつまるなどの疾病が影響している可能性を述べています。精度の高い議論のためには、血管がつまるなどの疾病を持たない認知症の患者さんにシロスタゾールを処方するというような試験の結果を待つべきでしょう。
またシロスタゾールは我々循環器内科医がよく使用する薬剤ですから、その特性をよく理解しているのですが、頻脈(脈が早くなる状態)を数多く経験します。「脈が速くてしんどいんです。不整脈です。」と当診療所を受診となった患者さんがほかの医療機関でシロスタゾールを処方されていたなんてこともありました。この放送がきっかけで同じようなことで外来受診される患者さんが増えないか、心配です。
(記載、管理医師;佐々木)
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリをlivedoorクリップに登録
このエントリをBuzzurlにブックマーク
Deliciousにブックマーク

投稿者 医療法人社団ささきクリニック | 記事URL

2014年7月23日 水曜日

治験に参加される患者さんの負担軽減

治験を行う医療機関は、厚生労働省から「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」という規則に定められた以下のような要件を満たすことが求められています。当診療所はこれらの要件を満たしています。
■ 医療設備が充分に整っていること
■ 責任を持って治験を実施する医師、看護師、薬剤師等がそろっていること
■ 治験の内容を審査する委員会を利用できること
■ 緊急の場合には直ちに必要な治療、処置が行えること


また治験に参加される患者さんでは、通常の治療に比べて通院や検査の回数が増えることもあるため、治験に参加される患者さんの負担を軽減するために、当診療所では以下のような負担軽減策で対応させていただきます。これも厚生労働省が定める基準を満たすものです。 
■ 治験期間中の検査費用やくすり費用の一部もしくはすべての負担
■ その他(一定の範囲での通院の交通費補助を含む)

 
(記載、管理医師;佐々木)
 
負担軽減策の詳細については厚生労働省ホームページを閲覧してみてください。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/6.html  
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリをlivedoorクリップに登録
このエントリをBuzzurlにブックマーク
Deliciousにブックマーク

投稿者 医療法人社団ささきクリニック | 記事URL

2014年7月19日 土曜日

認知症と物忘れの違い〈2〉

2014-6-26のブログ記事でも触れましたが、今回の記事も「認知症と物忘れはどう違うのか?」というテーマです。またまた、この疑問に一定の回答となるような質の良い記事を見つけましたので是非ご一読を。

認知症、だれもがなりうる国民の病(毎日新聞 2014/6/27付記事)
http://mainichi.jp/area/news/20140627ddn010040048000c.html 


記事では日常生活にいろいろと支障が出てくることが単純な物忘れとは違う、と記載しています。「ああ、そうか。そうか。」とか「あっ、これはいけない!」で済まないようなことをしでかしてしまうということです。例を挙げると【鍋を火にかけていたことを忘れてしまって、実際にボヤを出してしまう】【金銭管理ができなくなって、とんでもない買い物をしてしまう、しかも購入したことを覚えていない】【お薬をきちんと内服できなくなって病気が重症化してしまって入院してしまう】【出かけたまでは良いのですが、出先で道に迷ってしまう】などの問題を起こしてしまうようなら、これはもう物忘れじゃないです。認知症に一歩踏み込んだ状態でしょう。
【道に迷う】のは初期症状で【徘徊】は進行した症状です。でもどちらにしても帰宅できなくなるのは同じことですが、【道に迷う】程度の症状であれば、警察に保護されても、名前や住所をまだ答えることができるので、そのまま行方不明ということはないでしょう。最近、よく報道されている名前もわからず施設に保護されている認知症の患者さんは名前や住所を答えることができない患者さんの【徘徊】ということなんでしょうね。
自分の非を認めないというのも単純な物忘れではないことを思わせる、と記事は続きます。【ドロボウがいる】【アキスに入られた】【ヨメが隠した】などと言い訳するのは、認知症の患者さんによく見られる症状です。

2014-6-26のブログ記事
http://www.sasaki-chiken.jp/blog/2014/06/post-38-917309.html

(記載、管理医師;佐々木)
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリをlivedoorクリップに登録
このエントリをBuzzurlにブックマーク
Deliciousにブックマーク

投稿者 医療法人社団ささきクリニック | 記事URL

2014年7月16日 水曜日

ジェネリック考〈まとめ〉

ジェネリック考〈2〉~〈6〉をまとめました。

ジェネリック(後発医薬品)は同じ薬効なのになぜ何種類もあるのか?
先発薬の特許期間が満了した際に、後発薬品の製造が認められます。その際、後発薬品の製品名はその製薬会社が独自の名前をつけることができるので、販売承認を受ける製薬会社が多ければ、その分、製品名も増えることになります。製品名が多いだけで薬効(正確に言うと有効成分)は同じです。
詳細はhttp://www.sasaki-chiken.jp/blog/2014/07/post-35-914176.html 

後発医薬品メーカは奉仕者なのか?
家計の味方みたいな宣伝を打ってますから、そのように感じるんでしょうね。開発コストを回収する必要がないということが後発薬品が安価である理由です。それほど新薬の開発には莫大な費用が掛かるということです。公認でパッチモン、バッタモンの製造が許されるんですから、まさしくおいしいトコ獲りです。

後発医薬品がないと説明されたが、なぜ、ないのか?
①約10年間の特許期間が満了していない、②技術的に複製が困難である、③高度の正確さが要求される薬剤である、そして最後に④採算が合わない、この4つのうちのいづれかでしょう。
詳細はhttp://www.sasaki-chiken.jp/blog/2014/07/post-36-914228.html 

後発医薬品は先発品と同じ効果が期待できるのか?
薬効を発揮する部分である有効成分の化合物は同じだが、コーティング剤、安定剤、充てん剤、結合剤、香料、賦形剤などの不活性成分が違います。例えるなら寿司。寿司ネタの部分は大間のクロマグロ、でも米飯が違う。かたやササニシキ、かたや農林2号、どっちがどっちとは言いませんが・・・。
詳細はhttp://www.sasaki-chiken.jp/blog/2014/07/post-37-914390.html 
 
後発医薬品の審査基準は確かなのか?
生物学的同等性試験をクリアすれば良いとされている。先発薬を内服したときの血中薬物濃度と比較して後発医薬品を内服したときの血中薬物濃度が80%~125%であれば許容範囲。80%~125%がしばしば議論になります。
詳細はhttp://www.sasaki-chiken.jp/blog/2014/07/5-1-914984.html 

後発医薬品に変更したいけど、誰にどのように依頼するのか?
当クリニックの処方箋は先発品の薬剤名で書かれていますが、同時に、すべての処方箋に「後発薬品変更可」とも記載されています。調剤薬局に提出して頂ければ薬剤師が「変更されますか?」と尋ねてくれるはずです。
詳細はhttp://www.sasaki-chiken.jp/blog/2014/07/-cm-cm-915650.html 
 
(記載、管理医師;佐々木)
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリをlivedoorクリップに登録
このエントリをBuzzurlにブックマーク
Deliciousにブックマーク

投稿者 医療法人社団ささきクリニック | 記事URL

2014年7月13日 日曜日

ジェネリック考〈6〉

今回は後発薬に変更する際の実務みたいな話です。

clip先発薬と後発薬の互換性
先発薬と生物学的に同等な後発薬は、理論上、先発薬の代わりとして使用できます。先発薬の特許が切れた後は、後発薬以外に使える製品がなくなることもあります。多くの医師は、コストを抑えるために、後発薬が使える場合はそれを処方します。(米国の保険制度の下では、ということでしょうね、米国の医療費はめっちゃ高いそうですよ、注釈;佐々木)
医師が先発薬を処方した場合でも、代替調剤ができないことが処方せんに記載されている場合を除き、薬剤師は後発薬を調剤して患者に渡すことができます。


このあたりは日本の事情と同じです。よくCMで「お医者さんに相談しよう。」などのフレーズが使用されますが、多くの場合、(当診療所の処方箋もそうなのですが)「後発薬への変更可」というような処方箋の書式なっていますので、正しくは「薬剤師さんに相談」という表現の方が正しいかもしれません。
我々医師に相談があった場合にはブログ記事「ジェネリック考〈1〉~〈6〉」の内容をかいつまんで説明させていただいているのですが、診療時間の中でじゅうぶんにご説明するのは困難です。その点、後発薬メーカさんはCMで「お医者さんに相談しよう。」などのフレーズでこちらに丸投げなんですが、直接頼まれたこともこともないし、我々は後発薬メーカのセールスマンじゃないんだから、なんとかしてほしいですね。

次は互換性が「無い~乏しい」ケースの説明です。

ときには、後発薬を代替することが不適切な場合もあります。たとえば、現在販売されている後発薬の中には、先発薬と生物学的に同等とは言い切れないものがあります。こうした後発薬も使用することはできますが、先発薬に代えることはできません。血液中のわずかな薬物濃度の違いが、効果に非常に大きな差をもたらすような薬や治療効果のある投与量と、有害な投与量あるいは治療効果のない投与量との差(安全域)が小さく、非常に正確な量を投与しなければならない薬の場合では、生物学的に同等とされる後発薬が入手可能でも、先発薬を後発薬に変更しないことがしばしばあります。また、後発薬に含まれる不活性成分にアレルギーのある患者に対して、後発薬を代替することは適切とはいえません。このようなことから、医師が特定の先発薬を処方し、消費者が同等な後発薬の使用を希望する場合は、消費者あるいは薬剤師は、代替について医師に相談するべきです。

こういう場合では相談が必須ですし、また相談を受ける甲斐もありますね。

以上のブログ記事「ジェネリック考〈1〉~〈6〉」などを閲覧して、ご自身なりの後発薬(ジェネリック)のイメージを描いて受診していただくのが望ましいのですが、なかなかそうはいきませんよね。
わかりました!佐々木が外来であれやこれやと説明させていただきましょう!wink

(メルクマニュアル記事の要約と解説、管理医師;佐々木)

メルクマニュアルONLINE⇒ http://merckmanuals.jp/ 
青文字がメルクマニュアル記事です。
英語の直訳過ぎる部分は少々修正してます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリをlivedoorクリップに登録
このエントリをBuzzurlにブックマーク
Deliciousにブックマーク

投稿者 医療法人社団ささきクリニック | 記事URL

アクセス


大きな地図で見る
【住所】
〒660-0827
兵庫県尼崎市西大物町12-41
アマゴッタ4階医療センター

お問い合わせ 詳しくはこちら